人生の岐路に問いかける、真の豊かさとは
仕事やご家庭においてご自身の役割を十二分に果たされてきた読者の皆様へ。ふと立ち止まり、これまでの歩みを振り返った際、心の奥底で言葉にならない問いを感じることはないでしょうか。「これからの人生の時間をより価値のあるものにしたい」「大切な人と共に、より有意義な時間を過ごしたい」。日々の営みをただ繰り返すだけでなく、自らの内に秘められた真の喜びを形にしたいと願うのは、人として極めて自然な感情です。これまで懸命に走り続けてきたからこそ、物質的な豊かさや社会的な地位だけでは測れない、「この先の意味」を求めるお気持ちが強くなるのだと思います。
私たちが探し求めているもの、それは外側の世界から与えられる役割ではなく、自らの内側から湧き上がるような生命の躍動、すなわち「生きがい」あるいは「IKIGAI」と呼べるものに他なりません。いきがいは、特別な才能や劇的な出来事の中にあるのではなく、日常の些細な瞬間や、これまで見過ごしてきた小さな感情の中に隠されていることが多いのです。
そのような人生の意味を探求する上で、私たちが大いに学ぶべき人物がいます。それが、世界中で愛され続ける名作絵本「スイミー」や「フレデリック」を生み出したレオ・レオニ氏です。氏は、オランダに生まれ、イタリアでグラフィックデザイナーとして活躍した後、戦火を逃れてアメリカへ渡り、アートディレクターとして大成功を収めました。氏は現在生存しておりませんが、氏の残した作品と哲学は、今もなお世界中の人々の心に深く響き続けています。
氏は、商業デザインの世界で目覚ましい成果を上げながらも、常に「自分にとって本当に大切なものは何か」を問い続けていました。そして、49歳という年齢で、偶然の出来事をきっかけに絵本作家としての道を歩み始めます。単なる仕事の成功だけではなく、「なぜそれを続けるのか」「自分は世界に何を表現したいのか」という深い問いに向き合い続けてきた人生が見えてきます。
氏の絵本は、子ども向けの愛らしい物語という外見を持ちながら、その根底には人間存在の根源を問うような深い哲学が流れています。例えば、氏の言葉にこのようなものがあります。
「私たちの心象の終わりのない流れの中から、時折、予期せぬものが現れる。それは曖昧かもしれないが、形や意味、そして何より抗いがたい詩的な力を持つという約束を秘めているように思える」
この言葉が示すように、氏は常に自らの内面から湧き上がるイメージや感情を大切にし、それを形にすることに情熱を傾けました。この記事では、レオ・レオニ氏の仕事を始めたきっかけ、人生を変えた転機、子どもの頃の原点、そして仕事観を通して、彼にとってのIKIGAIとは何であったのかを紐解いていきます。氏の軌跡をたどることで、私たちは自らの人生をより深く味わい、これからの時間を豊かなIKIGAIで満たすためのヒントを見つけることができるはずです。
類まれなる才能と深い哲学を持つ芸術家:レオ・レオニ氏の足跡
レオ・レオニ氏は、1910年にオランダのアムステルダムに生まれ、1999年に89歳でその生涯を閉じるまで、グラフィックデザイナー、アートディレクター、そして絵本作家として多岐にわたる分野で卓越した才能を発揮した芸術家です。氏は、ユダヤ系の裕福な家庭に生まれ、幼い頃から豊かな芸術環境の中で育ちました。
若き日の氏は、大学では芸術ではなく経済学を専攻し、博士号を取得するという異色の経歴を持っています。その後、イタリアに移住し、広告デザインの世界に身を投じます。しかし、時代の暗雲が立ち込め、ファシズムの台頭によるユダヤ人差別の波が押し寄せたため、1939年、29歳の時にアメリカ合衆国への亡命を余儀なくされました。
アメリカに渡った氏は、フィラデルフィアやニューヨークでグラフィックデザイナーとして瞬く間に頭角を現し、大手広告代理店であるN.W.エイヤーや、「フォーチュン」誌のアートディレクターとして目覚ましい活躍を見せました。その仕事ぶりは高く評価され、当時のアメリカのデザイン界において不可欠な存在となりました。氏は、商業美術の世界で大きな成功を収めながらも、常に「自分自身の内なる声」に耳を傾け続けるという理念のもとで活動をしていました。
彼が絵本作家としてデビューしたのは1959年、49歳の時です。その後、「フレデリック」や「アレクサンダとぜんまいねずみ」をはじめとする数々の絵本を発表し、日本でもその多くが翻訳出版され、人々に深く愛されています。氏は、単に美しい絵を描くだけでなく、その物語の中に、アイデンティティの探求、他者との共生といった深いテーマを織り込みました。それはまさに、氏自身の人生経験と深い思索から生み出された、いきがいの結晶とも言えるものでした。
偶然から生まれた必然:絵本作家としての道を歩み始めたきっかけ
レオ・レオニ氏が絵本の世界に足を踏み入れたのは、決して綿密に計画されたキャリアの延長線上にあるものではありませんでした。それは1959年、彼が49歳の時のことです。当時、氏はアメリカのビジネス界で多忙を極めるアートディレクターとして日々を過ごしていました。
ある日、氏は孫たちと一緒に列車に乗って移動していました。長時間の移動の中で、子どもたちは退屈し、騒ぎ始めてしまいました。その時、氏は彼らを鎮めようと、即興で手元にあった「ライフ」誌のページを切り裂き始めました。彼は広告ページにあった青い紙と黄色い紙を丸くちぎり、それを主人公に見立てて、物語を語り始めたのです。
青い丸と黄色い丸が遊び、様々な経験をするという、シンプルでありながら深い意味を持つ物語でした。この即興の物語に孫たちはすっかり夢中になり、目を輝かせて聞き入りました。これが、氏の記念すべき第1作目となる絵本「あおくんときいろちゃん」誕生のきっかけです。孫をあやすという日常の些細な出来事が、彼の内に眠っていた新しい表現への扉を開いたのです。その後、この作品は絵本として出版され、絵本作家としての彼のキャリアが正式にスタートしました。
この出来事は、私たちにIKIGAIを見つけるための重要な示唆を与えてくれます。生きがいとは、必ずしも壮大な目標を掲げて探すものではなく、目の前にいる大切な人を笑顔にしたいという純粋な思いや、手元にある限られた素材で何かを創り出そうとする遊び心の中から、予期せぬ形で芽生えることがあるのです。氏は、仕事の責任や地位という重い鎧を一時的に脱ぎ捨て、純粋に子どもと向き合ったその瞬間に、これからの人生を決定づける大きな喜びの源泉を見出しました。
運命を分けた決断:アメリカへの亡命という人生を変えた転換期
レオ・レオニ氏の人生において、最も大きく、そして過酷な転機となったのは、1939年のアメリカ合衆国への亡命です。当時、氏はイタリアに暮らし、デザイナーとして充実した日々を送っていました。家族とともに穏やかな生活を築き、仕事の面でも確かな手応えを感じていた時期です。
しかし、ヨーロッパ全体を覆い始めたファシズムの影は、ユダヤ系の血を引く氏の生活にも容赦なく忍び寄ってきました。イタリアで差別的な人種法が制定され、これまで当たり前のように享受してきた自由と安全が脅かされるのを感じた氏は、愛する家族を守るため、そして自らの尊厳を守るために、住み慣れたヨーロッパを離れるという重い決断を下します。
29歳という若さで、言語も文化も異なる未知の国アメリカへ渡ることは、想像を絶する困難を伴うものでした。しかし、この過酷な転機こそが、結果として氏の才能をさらに大きく開花させることになります。
アメリカという多様性に富んだ広大な国で、氏は持ち前の適応力と類まれなるデザインセンスを武器に、瞬く間に頭角を現しました。異なる文化背景を持つ人々との交流や、当時の最先端を行くアメリカの商業デザインの世界での激しい競争は、氏の感性を研ぎ澄まし、表現の幅を飛躍的に広げました。
故郷を追われるという困難な経験は、氏の心に「自己とは何か」「他者と共に生きるとはどういうことか」という根源的な問いを深く刻み込みました。人生を根底から揺るがすような出来事であっても、そこにどう向き合い、どう意味を見出すかによって、その後の人生を決定づける強靭なikigaiの源泉へと変えることができる。氏の歩みは、その事実を私たちに力強く語りかけています。
豊かな感性の源泉:アムステルダムで過ごした子どもの頃の記憶
レオ・レオニ氏の豊かな想像力と色彩感覚の原点は、彼が過ごした幼少期の環境と、そこで夢中になっていた事柄に深く根ざしています。1910年、オランダのアムステルダムに生まれた氏は、文化的に非常に恵まれた環境の中で育ちました。
特に大きな影響を与えたのは、幼い頃より彼を囲んでいた芸術作品の存在です。氏は9歳からデッサンの基礎を学び始めています。また、アムステルダムの美術館群は、彼にとって素晴らしい学びの場であり、そこで多くの芸術に触れながら独学で絵を描くことを学んでいきました。本物のアートを日常的に浴びるように吸収して育った経験が、後の彼の創作活動の強固な基盤となりました。
また、父親の仕事の都合により、大学時代までにベルギー、アメリカ、イタリア、スイスと、欧米の各国を渡り歩いた経験も、氏の視野を大きく広げました。言葉や文化が異なる様々な環境に適応しながら成長していく中で、彼は多様な価値観を受け入れる柔軟性と、物事の本質を見抜く鋭い観察眼を養っていきました。
純粋な好奇心に従い、美術館の絵画に心を奪われたり、異国の風景に驚嘆したりした子どもの頃の記憶は、大人になってから生み出された数々の絵本に登場する、色彩豊かで芸術性の高い描写へと直結しています。幼少期に純粋に心を惹かれたものに没頭した経験は、生涯にわたって彼の心を潤し続ける生きがいの井戸となったのです。
共鳴する魂:影響を受けた出来事と他者への貢献
芸術家は孤立して存在するのではなく、他者との深い関わりや時代精神との共鳴の中でその才能を開花させていきます。レオ・レオニ氏もまた、青年期にイタリアでブルーノ・ムナーリをはじめとする多くのアーティストや文化人と交流し、互いに強い影響を与え合いました。前衛芸術運動の展覧会に参加するなど、同時代の優れた才能と切磋琢磨することで、自らの表現の方向性を模索していきました。
また、アメリカに渡ってからは、自らが先人から受けた恩恵を、次世代の才能へと還元する素晴らしい貢献を行っています。その中でも特筆すべきは、「はらぺこあおむし」で知られるエリック・カール氏との関わりです。ドイツからニューヨークに渡ってきたばかりで、まだ23歳であった若き日のエリック・カール氏は、当時「フォーチュン」のアートディレクターであったレオニ氏に自身の作品を見てもらいました。
レオニ氏はカール氏の作品を高く評価し、彼がニューヨーク・タイムズの広告部に就職できるよう世話をしただけでなく、自身の編集者を紹介して絵本の仕事を強く勧めたのです。この温かい後押しがなければ、私たちが知る素晴らしい絵本作家エリック・カール氏は誕生していなかったかもしれません。
優れた才能を認め、それを世に送り出すサポートをするという行為は、レオニ氏自身の心の広さと、芸術への深い愛情を示しています。自分だけが表現するのではなく、他者の才能を引き出し、共に新しい価値を創り上げていくこと。このような他者との豊かな繋がりもまた、氏にとって大きな喜びであり、ikigaiを構成する重要な要素であったに違いありません。

創作の喜び:物語が人の心に届いた瞬間の輝き
レオ・レオニ氏にとって、絵本作家としての活動は、単なる仕事の枠を超えた、魂の歓喜をもたらすものでした。生涯で手がけた絵本の数は40冊近くにのぼります。彼が最も喜びを感じたのは、自分の内側から生み出された物語が、国境や世代を超えて人々の心に深く届き、彼らの人生に温かい影響をもたらしたことでしょう。
彼の代表作である「スイミー」や「フレデリック」、「アレクサンダとぜんまいねずみ」といった3つの作品は、アメリカで最も権威のある児童書の賞の一つであるカルデコット賞の栄誉に輝いています。氏の作品は、国語の教科書にも採用されるなど、世界中で何十年もの間、数え切れないほどの子どもたち、そして大人たちに愛され続けています。
氏の作品の多くには、彼自身が生涯考え続けた関心事が寓話的に織り込まれています。例えば、インタビューにおいて氏の作品が「自分だけの色って何だろう…」というアイデンティティの探求を描いていると評されるように、誰もが心の中に持っている普遍的な思いを見事に表現しています。
「自分の色を大切にしようと思えた」「他者と違ってもいいのだと安心できた」。自らが純粋な喜びとともに生み出した表現が、読者の心を癒やし、生きる力を与えているという事実。それこそが、氏にとって何にも代えがたい「仕事の喜び」であり、人生を懸けて創作を続ける最大の原動力、すなわち確固たる生きがいであったのです。
試練の昇華:苦難の時期をどう乗り越え、表現へと変えたのか
順風満帆に見えるレオ・レオニ氏の人生にも、深い苦悩と試練の時期は存在しました。前述のファシズムによる差別と、それに伴うアメリカへの亡命という経験は、彼の生活基盤を根底から揺るがすものでした。自分が生まれ育ったヨーロッパの文化から引き離され、まったく新しい環境でゼロから自らを証明しなければならなかった日々の重圧は、並大抵のものではありませんでした。
しかし、氏はその過酷な運命を嘆くのではなく、自らの創造的なエネルギーへと変換していく強さを持っていました。言葉の壁や文化の違いに直面しながらも、彼はグラフィックデザイナーとしての確かな技術と、普遍的な美しさを追求する感性を武器に、異国の地で自らの居場所を切り拓いていきました。
氏は、この内なる苦悩やアイデンティティの揺らぎを、絵本という表現形態に向き合うことで乗り越え、昇華させました。彼の絵本作りは、単なる商業活動ではなく、自らの魂の平安を取り戻し、世界との関わり方を模索するための切実な行為であったと言えます。彼が描くキャラクターたちが、しばしば自分の居場所を探して悩み、葛藤しながらも最後には自分なりの答えを見つけ出すのは、氏自身の苦難を乗り越えた経験が色濃く反映されているからです。
困難な状況に直面したとき、それを無理に忘れたりするのではなく、自らの表現の糧へと変えていくこと。辛い経験すらも、誰かの心を打つ美しい物語へと変容させる強さ。これこそが、氏の人生を支え続けた強靭な精神の証です。
次世代への贈り物:社会に届けた不朽の価値とは
レオ・レオニ氏がその生涯を通じて社会に届けた最大の価値は、目に見える物質的な豊かさや効率性ばかりが重視される社会において、「見えないものの価値」や「言葉の持つ力」を、誰もが理解できる普遍的な物語として残したことです。
彼の絵本は、押し付けがましい教訓を垂れることは決してありません。ただ、美しい色彩とユーモアを交えながら、読者一人ひとりに優しく問いかけます。例えば、農夫とカラスたちの争いを描いた「6わのからす」という作品の中では、フクロウが和解を提案する場面で、このような言葉が語られます。
「話し合いに手遅れは無いよ」
「言葉には魔法の力がある」
お互いを懲らしめようとするあまり大切なものを見失ってしまう者たちに対し、対話によって相互理解を深め、違いを乗り越えていくことの大切さを説いたこの言葉は、子どもだけでなく大人の心にも深く響きます。氏は、子どもたちの純粋な心にその温かい種を蒔くことで、未来の社会がより寛容なものになることを願っていました。氏の絵本が世界中の教育現場で読まれ続け、国や世代を超えて愛されている事実は、彼が社会に提供した価値がいかに大きく、そして本質的であるかを物語っています。
魂の表現としての営み:揺るぎない仕事観
レオ・レオニ氏の仕事観は、一般的な「労働」という概念をはるかに超えたところにありました。彼にとって絵本を創作するという仕事は、お金を稼ぐためや名声を得るための手段ではなく、自らの魂と世界とを繋ぐ、最も純粋な自己表現の場でした。
彼は52歳で再びイタリアに戻り、イラストレーターや彫刻家としての仕事をしながら絵本制作を続けました。その後もイタリアのトスカーナとニューヨークを往来しながら、絵本、絵画、彫刻の制作に精力的に打ち込み、多数の作品を生み出しています。
彼が年齢を重ねてもなお、これほどまでに情熱を持って創作活動を続けた理由は、自分の中に湧き上がるイメージやメッセージを形にせずにはいられないという、抗いがたい内なる衝動があったからです。社会的な地位や経済的な成功をすでに収めていたにもかかわらず、自らの手を動かし続けたその姿勢は、お金以外の意味、つまり「自らの内にある真実を表現し、それを世界と分かち合うこと」への純粋な欲求が、氏の仕事観の核であったことを示しています。
氏にとって生きがい(IKIGAI)とは何か、その根底にある哲学
レオ・レオニ氏にとっての「生きがい(IKIGAI)」、それは「自らの心の内にある曖昧なイメージや感情に、明確な形と色を与え、それを世界に対して表現していくプロセスそのもの」であったと言えます。彼は、特別な出来事や非日常の中に意味を求めたのではなく、自らの内面深くにある声に耳を澄ませることを大切にしていました。
「私たちの心象の終わりのない流れの中から、時折、予期せぬものが現れる」という氏の言葉に表れているように、絶え間なく湧き上がる思いやアイディアを丁寧にすくい上げ、それに命を吹き込んでいく作業こそが、彼にとっていきがいの源泉でした。
物質的な豊かさだけでは人は生きていけない。心を潤し、人生に意味を与える芸術や詩、目に見えない「心の糧」こそが必要不可欠である。この確固たる哲学が、氏のIKIGAIを支えていました。彼は、自らが信じる美しいもの、正しいと思う価値観を、絵本という形を通して社会に提示し続けることで、自分自身の存在意義を確認し、満ち足りた日々を送っていたのです。
永遠に続く問いかけ:氏が描いていた未来の姿と他者への思い
レオ・レオニ氏が、その生涯と作品を通じて描いていたこと。それは、一人ひとりが「自分とは何者か」という問いから逃げずに向き合い、自らの色を見つけて生きていくことの美しさです。
氏は、異なる背景を持つ人々が互いの違いを認め合い、それぞれの持ち場を全うしながら調和していく未来を描いていました。「自分だけの色」を探し求めるという、誰もが心の中に持っている思いを肯定し、ありのままの自分を受け入れることの尊さを伝えたかったのです。
氏が描いていた希望に満ちた社会のビジョンは、大きな力を持つ者が弱い者を支配する世界ではなく、小さな一人ひとりが互いの個性を尊重し合う世界です。彼が描いたその温かいメッセージは、激動の時代を生き抜いた氏だからこそ到達できた境地であり、今を生きる私たちに対する力強い応援歌として、永遠に色褪せることなく輝き続けています。
心の声に耳を澄ませる:生きがいが見つからない人へメッセージ
もし今、あなたが毎日の生活に追われ、「自分の生きがいとは何だろう」と迷いを感じているのだとしたら、レオ・レオニ氏の軌跡と哲学は、温かい光となってあなたを照らしてくれるはずです。
生きがいが見つからないとき、私たちは往々にして、外の世界に立派な目標を探そうとしてしまいます。しかし、氏が49歳で孫をあやすためにちぎった色紙から全く新しい人生の扉を開いたように、IKIGAIの種は、あなたの日常のほんの些細な瞬間、身近な人との関わりの中にひっそりと隠れているのです。
「言葉には魔法の力がある」。氏が残したこの名言のように、あなたがご自身に対して、あるいは大切な他者に対して投げかける温かい言葉の一つ一つが、あなたの心を潤し、日常に新しい彩りをもたらします。大きなことを成し遂げようと焦る必要はありません。ただ純粋にあなたの心が喜ぶもの、美しいと感じるものを大切にしてください。それがすぐには役に立たないように思えても、あなたの内面を豊かに満たし、やがて確かな「いきがい」へと成長していくはずです。あなたはあなたのままでいい。自分だけの色を見つけ、それを大切に育んでいくこと。それが、氏から現代の私たちに向けられた、最も優しく、力強いメッセージです。
結びの言葉:あなた自身の「色」で描く、これからの人生
オランダに生まれ、時代の荒波を越えてアメリカで成功を掴み、そして人生の円熟期に絵本作家として世界中に愛と哲学を届けたレオ・レオニ氏。彼の生涯を辿る旅は、私たち自身に「本当の豊かさとは何か」という根源的な問いを突きつけます。
今回の内容を参考にした、重要な視点を3つに集約します。
1つ目は、「日常の些細な出来事の中に、人生を変えるIKIGAIの種が隠されていること」です。氏が列車の移動中に孫のために作った手作りの物語がそうであったように、純粋な喜びから始まる小さな行動を見逃さないことが大切です。
2つ目は、「目に見えないものの価値を信じること」です。効率や損得では測れない、芸術や思いやりといった心の糧が、私たちの人生を本当に豊かなものにします。
3つ目は、「自分だけの色を肯定し、他者と調和していくこと」です。周囲と違うことに悩むのではなく、ありのままの自分を受け入れ、その個性を他者のために活かすことこそが、真の生きがいへと繋がります。
これらを踏まえ、今のあなたにすぐできる小さな行動の具体案をご提案します。それは、「今日、ご自身が子どもの頃に時間を忘れて没頭した遊びや興味を1つだけ思い出し、それを現在の生活の中でどう形を変えて取り入れられるか、5分間だけ思考を巡らせてみる」ことです。過去の純粋な喜びの記憶を呼び起こし、現在の日常とのつながりを模索することで、ご自身の内面との豊かな対話が生まれ、これからの人生を歩むための新たなエネルギーが湧いてくるはずです。
最後に、氏が残した深いメッセージを物語る言葉をもう1度心に留めておきたいと思います。
「話し合いに手遅れは無いよ」
「言葉には魔法の力がある」
私たちが自らの心と対話し、大切な人たちと真摯に言葉を交わす限り、人生をより良い方向へ導くことはいつでも可能なのです。
あなたがこれまでに培ってきた豊かな経験と感性は、これからあなただけの美しい人生の物語を創り上げるための最高の材料です。
What will you leave on this planet?(あなたはこの地球に何を残しますか?)
どうか、あなただけの素晴らしい色で、これからの日々を彩り豊かに描いていってください。その歩みそのものが、かけがえのない生きがいとなるはずです。

【執筆:Mermaid nao(マーメイド・ナオ)】アーティスト / コラムニスト
アートを通じて命の可能性と美しさを引き出す活動を行う。国際カンファレンス「THE WING TOKYO2025」での登壇や老舗旅館「名月荘」での展示、Webメディア『プロフェッショナルの選択』掲載など実績多数。
【引用元・参考情報】
- 竹笹堂(受注制作 レオ・レオニ絵本作品木版画)
- Bunkamura(展覧会概要と構成 | レオ・レオニ 絵本のしごと)
- SOMPO美術館(みんなのレオ・レオーニ展)
- 軽井沢ニューアートミュージアム(<作家紹介> レオ・レオニ(1910~1999))
- いろはにアート(『スイミー』の作者レオーニが絵本で伝えた「自分らしさ」とは?)
- PR TIMES(11/22(土)より開催 展覧会「レオ・レオーニと仲間たち」)
- こどもまなび☆ラボ(子どもの感性を刺激する「レオ・レオニ」の世界~アートと哲学がつまった傑作3選)
- 絵本ナビ(「レオ・レオニ 絵本のしごと」開催記念!インタビュー)
- レオ・レオニズ フレンズ 公式サイト(トップページ)
- Wikipedia(レオ・レオニ)
- 千代田図書館(ちよぴたブログ)
- 絵本ナビ(6わのからす【みんなの声・レビュー】)
- The World of Leo Lionni(Home)
- アートアジェンダ(レオ・レオーニと仲間たち | 板橋区立美術館)
- note(終生遊びゴコロを失わなかったネズミくん 「レオ・レオーニと仲間たち」 岩手県立美術館)
- 札幌で古本の高価買取なら専門書店「ばれろん堂」(レオ・レオニなど絵本大量に買取りました!)
- 絵本ナビ(みんなのレオ・レオーニ展『スイミー』の原画来日!2019年7月13日から新宿で開催)
- note(レオ・レオニ「フレデリック」が教えてくれた、人生を支えるアートの正体)
- 他力本願ネット(子育て、ガンバらなくていいよと教えてくれる絵本―『フレデリック』)
- note(いちばん好きな絵本 レオ・レオニ『フレデリック』|このみ)
- ホテル暴風雨(『びっくりたまご』 巨匠レオ・レオニ、ますます冴える晩年の傑作)
- QuoteFancy(Leo Lionni Quote: “From time to time, from the endless flow of our mental imagery, there emerges unexpectedly something that, vague though…”)
- 青い日記帳 – JUGEMブログ(「レオ・レオニ展」)
- note(絵本「マシューのゆめ」(作:レオレオニ)の紹介と評価)
- 絵本ナビ(レオ・レオーニの名作『あおくんときいろちゃん ボードブック』)
- 人生ギフト(自由な発想を愛する絵本作家レオ・レオーニ氏から学んだこと)
- Casa BRUTUS(〈世田谷美術館〉で絵本作家エリック・カールの展覧会開催中!)
- note(【絵本分析】 『アレクサンダとぜんまいねずみ』~概要編)
- 静岡大学学術リポジトリ(小学校国語教科書教材基礎研究 : 「アレクサンダとぜんまいねずみ」の考察を通して)
